web拍手用SS
2,メッセージ
「あれ。季節外れの辞令だなぁ、こりゃ」
「ん? 辞令……ってこれ勅命じゃないか。あいつ、また何で」
騎士団内部の掲示板の前に出来た人込みに、彼は足を止めた。
「どうした?」
顔馴染の同僚に声をかけた途端、皆が一斉に彼を見る。そして、皆そそくさとその場を離れ始めた。
「お、おい……?」
目さえ、合わせようとはしない。
ただならぬ様子に戸惑いながらも、彼はふと掲示板に張られたその辞令を見た。そこには彼の名前と共に、太文字で一言記されている。
『上記の者、今月二十日をもって、私の花嫁とする』
そして下の方に追記。
『貴方が受けてくれるなら』
「これは……まさかそんなイヤ馬鹿な」
誰かが、ぽつりと呟いたのが、鮮烈に響く。
「国王式プロポーズ?」
「辞令でかぁぁぁぁっ!」
とっさに辞令を引っつかむと、彼は勢い良く破り捨てようとし――
その場にしゃがみ込むと、手にした紙を見つめる。
「――貴方の命を拒めるはずもないか」
「WEB拍手に使いたい5つのお題」挑戦テキストです。
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